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「クビ!論」。 について

先日”「クビ!」論。”を書店で探したが見つからなくて、改めてAmazonで探したら、文庫本になっていたので、早速購入して読みました。

昨年、自分を含めて会社がなくなるのではという不安定な時期に、荻窪の本屋に山積みされていたのを思い出します。そのときは、あまりにJustFitな内容だったので、パラパラ見ただけで、購入することはできませんでした。

改めて読んでみると、プロとは何か、自分の”市場価値”とは・・・と身につまされる内容に満ちていてとても面白かったです。

自分に置き換えてみると

私も外資系とはいってもHPという極めて日本的な会社で14年ぐらい生きてきましたので、この本に書かれている外資系と日本の企業の両方の事情がよく分かります。
組織への依存心や忠誠心といったものより、自分の技術力といった、どこに行っても使える実力を蓄えることが大切だと思っていました。(よく、つぶしの利く実力を付けるとか言ってたし、現場から離れることには抵抗がありましたね。)
ただ、では、市場価値をベースに自分のキャリアパスを設計していたかというと、そうでもなかったと思います。社内の評判が一番で、一番恐ろしいのは声がかからなくなって仕事がなくなること、と思っていましたから。そうなると、結局、何々のスペシャリストというよりは、ある程度なんでも対応いたしますというゼネラリスト志向だったのかも知れません。
転職に向けて職務経歴書を書こうとして、はたと、”私は何が売りだろうか?”悩んでしまいました。(売りがないというより、目玉商品がないといった方が良いです。)
そういった、中途半端な状況が、”なんでもできます”はなにもできないと同じ(換えは幾らでもいる)、むしろ、適当に技術力があるから、放り出しても生きていけるだろうと切り易い状況を作っていたのかも知れません。

今、IT組織における人材育成コンサルティング(まあ、実際にはスキル診断+αですが)を行っています。そのため、この”「クビ!」論。”(以下クビ)と同じ視点で客観的に組織やそこでのスキルとキャリアパスについて見れるようになりました。

面白いもので、自分が順風満帆なキャリアを形成していたら、この本の内容も理解できないし、現在の仕事にも実感が伴った+αが出せるか疑問です。人生に無駄なことは何もないと改めて思います。

世代について

”クビ”で団塊の世代をかなり痛切に非難していました。富士通の成果主義本でもそうでしたが、結局マネージャ層が自己中で駄目だということですよね。大正世代、昭和一桁世代が敗戦を体験して、猛烈に働いて築き上げた成長の上にのって、単に競争(足の引っ張り合い)だけで、のほほんと生きてきた団塊の世代が社会の病巣になっているというのは、確かにと思います。まあ、この梅森さんが付き合ってきたマネージャが団塊の世代が多かったからということかもしれませんが。
 私が懸念しているのは、駄目な30代です。バブル真っ盛りの時に入社した世代です。
多くの企業で、30代が能力が伸びないという問題を抱えています。
そろそろ管理職が見えてきて、会社の主力になるべき世代が、いつまでたっても伸びてこないという問題です。ひどいところでは、もう30代はあきらめて、20代向けに教育をするかといった話まで出ていました。
 社会人としての行動規範が形成される入社2-3年のときに、何もしないで結果が出て、贅沢もし放題、遊ぶことを覚えてしまった世代ではと思います。(あくまで一般論)
 可哀想に努力する方法、真面目に仕事に取り組むすべを学べなかったので、実力を求められる時期が来ても、どうしょうもないんですね、きっと。
若いときの苦労は買ってでもしろという意味が良く分かります。