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伊藤洋一は面白い

昨日、伊藤洋一の「日本力」を読んだ。
悲観論はやめて、海外から日本は「Cool」と言われているのだから、
という主張を、実際に見聞きした、中国、韓国、インドの実情を交えながら説明している、とっても啓蒙的な本です。

朝、たまにテレビ朝日のコメンテータとしてみているときは、いつも、なんか含み笑いで、なんだろこの人は、と思っていたが、地道に情報を収集しながら、分析した上でのコメントなんだなと思いました。
特に、日本の産業の厚みや質の高さ、Popなものを作り出す力といった点を指摘したところは秀逸です。

失われた10年ではなく、特に後半の5年は何かを生み出していた年月だという主張や、海外から日本に取材に来たクルーが、どこに不況があるのだろうと、逆に伊藤に取材するところなど、日本の常識・世界の非常識 を彷彿とさせます。

どうも、日本をくさして何ぼの言論界に、たまに、日本は全然進んでいる良い国ですよという論が出てくるのですが、その一つですね。
ポイントは、抽象的なコンセプトより、具体的な事実ですね。

ただ、今迄日本を支えていたものが壊れつつあることも確かだから、子供たちの教育、特に徳育には、もう少しちからを入れたほうが良いと思います。

今朝も、フジテレビで、小さな会社のとんでもない技術の話をしていました。(とっても細くて、刺しても痛くない注射針の話。それが、医療器具扱ったの初めてというから傑作)
こういった裾野の広さ、匠たちが多く居る国の未来は明るい。
その一方で、荒れる教室、すぐに辞めてしまう教師といったニュースも流れる。

まだまだ沈まないが、上る朝日でもない、豊かな黄昏が近づいているのかなとも思う。