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月別アーカイブ: 2月 2006

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米中の石油戦争

日高義樹の「米中石油戦争がはじまった」を読んだ。

日高レポートというかたちで、アメリカの世界戦略を色々なトピックスに絡めて番組を通じて伝えている作者だが、この本は面白かった。

今、冷戦の崩壊後の世界は、石油の取り合いを軸に、アメリカと中国の戦いが始まっているという説明。

急速に経済発展をする中国にとって、石油は必須の資源。既にアメリカに肩を並べるほどの消費国になろうとしている中国が、今後の成長を続けると2倍・4倍と消費量を拡大する。そのために、石油をはじめとする資源を供給してくれる国との関係を強化している。が、その国は、イランやベネズエラ、ナイジェリアやサウジアラビアなど、アメリカにとって、最も扱いにくい、非民主的な専制国家群であること。

また、アメリカにとっての頭痛のたねは、
・中国はアメリカの言うことを聞かない(コントロール不可能)
・アメリカのドル支配に伏さない。(中国が黒字を上げることは、ドル経済圏にとっての打撃になる)
特に、アメリカは、消費拡大⇒赤字増大⇒連邦債の発行⇒アメリカへの投資 というサイクルを通じての経済の拡大を続けているが、そこには、貿易黒字を連邦債の購入や米本土への投資によって、還流する友好国(例えば日本)の存在が絶対的に必要。その裏づけにはアメリカの軍事力による支配構造がある。
 ところが、中国には、この構図が有効ではなく、アメリカの赤字=ドル経済圏の縮小につながる危険性がある。
 そのため、挑戦する非効率資源消費大国中国と大借金・軍事大国アメリカの戦いは避けられないという分析。(重商主義・帝国主義の本質を持つ中国と民主主義が国是のアメリカは相容れない)

・日本にある米軍設備もできれば、逃げ出したい(中国のミサイルが飛んでこないところへ)
・韓国は既に、アメリカにとってはどうでもよくなっている。
・台湾問題も、国民党政権に対するトラウマが原因での過剰反応
など、読みどころが一杯で、1日で読んでしまいました。

まあ、それでも最後はアメリカが勝つという、アメリカびいきの日高さんらしい結論になっているけれど。

ただ、歴史上、経済の発展⇒軍事大国化⇒覇権の確立⇒大借金国⇒転落というのは、スペイン王朝をはじめ、イギリスなど、法則化しているので、現在のアメリカの地位と未来は危ういものであることは確かだと思う。

ただ、覇権国家が転落するとき、大戦争が起きるのが通例だから、心して未来に備える必要があるでしょう。 グリーンスパンの引退で、経済の失速が引き金になる可能性は高いので、残された時間は意外と少ない。

金メダル

見事な演技(というか、持っているものを素直に出せた)で荒川静香が金メダルを取った。
最近のオリンピックは、伸び伸び滑ったものに、金メダルが落ちてくるようだ。
だから、若い子供が金をさらって、即引退⇔有力選手が執念の連続挑戦(クアン、スルツカヤ)という構図ができている。
興行的にも、ちっちゃな子供がクルクル飛び跳ねて高い点数をかっさらう大会が続くと、最高の人気コンテンツに差し支えるという訳で、年齢制限を設けたら、人気もある世界チャンピオン(浅田真央)が出れないという皮肉な結果になった国際スケート連盟と、政治力を駆使して、新採点法の実力者(中野)を排除することで背水の陣をひいた城田組にとっても、救いの女神でしたね、荒川は。

結局、スケートが上手な人が1番になったということでしょう。スピードも一番あり、精度も高かった。それに、長い手足がとても美しかった。そんな日本人選手が出てくるなんて、それも奇跡(でも無くなっている昨今が恐ろしい ⇒ もう少し伊藤みどりに身長と美貌があればと思った昔が懐かしい・・・ ^^;)

私的には、悔しそうな村主が印象的。彼女にとっては全てが最悪の結果だったのだろうね。(よりによって、荒川が金だって・・・ ^^;)

これで、少しは俺のことを思い出してくれ! と 亀井静香は思うのだろうか・・・

まあ、日本としては、ユニークな形のトリノのメダルの実物が1つでも手に入ってよかったよかった。

善悪の彼岸

ニーチェの本のタイトルですが、きな臭い中東を考えているうちに、このタイトルが浮かんできました。

今、イランとアメリカが戦争に向けてひた走っています。
イスラムにも終末思想があり、キリストの再来の前に、最後のイマームが復活、マフディと呼ばれるイスラム教世界の救世主が現れるというものです。
アメリカ側にはご存知ハルマゲドンの信奉者が多数居ます。
どちらも、最終戦争の煉獄を経て、神の世界がやってくるという点が一致しています。信仰の成就のために戦争を行うというのは、通常の戦争回避のメカニズムが働かない恐れが大です。(新しい世の中を作るには、破壊は徹底的にした方が良いから)

双方が自分が善で相手が悪だと主張していますが、その一方の主役が、かつてゾロアスター教が栄えたイランであるというのは、妙なリアリティがあります。
光と影の相克。善と悪との戦いという世界観がゾロアスター教。それを国教にしていたのが、ペルシャでした。(お灯明を絶やさないといった形で、一部分は日本にも入ってきていますが。)
もう、大昔に読んだので忘れたが、”ツァラトストラはかく語りき”を書いたニーチェの”善悪の彼岸”ってどんな内容だったかな。 多分、内容は全く関係ないだろうけど、5年10年といったスパンで考えた未来をあらわす言葉にならない事を祈ります。

カーリング・終わっちゃいました

最終日は脆かったですね。
圧倒的ドベを快走(?)する地元イタリアにミスショットを連発して、危うく劇的敗戦を喫するところでした。

その状況をリカバリできなかったスイス戦では、2度のビックエンドを作られての敗戦でした。まあ、点を取りに行くと着実に取れる強さもあり、精度も技術も高いチームでしたが、安定感が無かったのが、このチームの魅力でもあり、弱点でもありましたね。

日程も日本は厳しかったのではと思います。

ただ、9試合という長丁場を戦い切るだけのチームとしての体力と、大会にピークを持っていくコンディショニングの技術が足らないところですね。

これで元シムソンズのお二人は引退するんですかね。(元メンバーが現役復帰しようかと言ってましたが・・・ ^^;)
今回話題にはなりましたが、実際には競技を続けるには厳しい現実があるようですね。常呂町もなくなっちゃうみたいだし。

ただ、これに触発されて、長野勢や北海道勢が活躍して、またレベルが上がることを期待しています。 そうそう、最初は、長野オリンピックのアメリカ戦でしたよね。男子にも期待しています。

時間は長いのですが、注目するポイントがはっきりしていて、色々技術面での薀蓄が言えるところなど、日本人の嗜好にあっているのではと思います。野球・相撲・マラソン。最後の最後まで逆転のスーパーショットがあるところとかも。
一見誰でもできそうなところがミソですね。(実際には、大変だと思うぞ)

まずは、関係者の皆様 ご苦労様でした。 そして、楽しい試合をありがとう。

カーリング・来てます

首位のスウェーデンに惜敗して、予選通過が難しくなった日本女子カーリングチームですが、ここへきて、調子が上がり、絶好調ですね。
カナダ・スウェーデン・英国の3強相手に、2勝1敗。
この調子の半分もロシア・デンマークに対して出ていたらと思うけど、まあ、奇跡を期待しましょう。(デンマークがノルウェーとカナダに連勝する様に)

扱いは地味だけど、今度のオリンピックで一番活躍している日本選手・チームだと思う。話題だけ先行のHalfPipeとかに較べて。
他国のチームはお世辞にもビジュアル的にテレビ向きではないと思うベテランが多数の中で、全員が若くて、ビシビシと正確なショットを決め続ける日本チームには、現地のファンが着いたという話。 プレイスタイルも、とにかく攻めに徹するため、面白い試合が多い。(正直、2時間半の観戦はつらいが・・・)
この大会で、本当に伸びた(自信が付いた)と思う。
ロシアに負けた頃とは、全く別のチームである。

メダルを狙っているチームは日本が既に4敗していることでホッとしているに違いない。また、最後にあたることなり、楽々準決勝に駒を進めたスイスも日程の幸運を噛みしめているかも知れない。
そんな、ミラクルチームの誕生を見ることができた幸せ。どうせなら、本当のミラクルを起こして欲しいものである。(トリノのメダルはカーリング女子だけとか・・・^^;)

長野オリンピックでの男子の活躍で一躍有名になったカーリングだが、4年に1度だけ話題になって、後が続かない傾向がある。国を挙げての支援とか、環境の整備(国外の大会への参加・国内の試合の充実)が無いと、折角のきっかけが失われてしまいそう。

日本人には向いている競技だと思うけどね。メダルの数が大切なら、もっと力を入れてもいいのでは?

社内システム

あるお客さんとの案件で、基本契約を結ぶことになりました。
まあ、どこでもそうなんでしょうが、”この書式でないと契約できません”から始まり、”このフォーマットにこの様に入力してください”理由はそうしないと社内システムに登録できないからですと言われます。

 とっても煩雑で、硬直している手続きで、相手の担当者がむしろ恐縮している程です。まあ、一般にアプリケーション開発を外注している会社では、類似の面倒くささがありますね。
そうやってガチガチに固めないと、安心してビジネスはできないのでしょね。
ただ、発注側だから少々の不便をかけても良いのだ、という発想だと困りますね。
実際には、そうやって、目に見えないコストを自社でかけているわけですから。

元々は、ならず者国家アメリカを信用できないヨーロッパの投資家が色々条件をつけたために、契約が煩雑になったという話です。グローバルスタンダードっていうのは、性悪説の最たるものですね。お前ら信用していないから、これは守れって言われたら、信用されていないなら、書かれていないことは何でもやってやれ・・・となり、また更に、条件が細かく、うるさくなるということの繰り返しですね。

結構、社内の調達システムなんて、業務が回ればよい、どうでもよいシステムですが、そういった細部に神宿るですね。 綺麗なロビーを作って綺麗なお嬢さんを並べるのもいいですが、トイレを綺麗にするということが大切だと言われます。それと同じで、社内システムに注意を払うというのも結構会社のイメージ作りには大切だと思うです。

基礎力の不足

トリノオリンピックを見るので、寝不足気味です。
まあ、基本的にスキーとスケート(雪と氷)しかない冬季大会で、これだけ色々な競技のあることと半ばあきれてみている。

スノーボード系の新らしい競技にも、結構日本の選手が出て、予選を通ったりしている。
そこで、少しの見せ場はあるのだが、結局、転倒して惨敗、というパターンが多い。
やはり優勝するような選手と比べると、高さ、着地での余裕度、スピードといった、基本的なところがかなり差があるように見える。

地道なところで勝てないので、一発逆転を狙って大技にチャレンジ、案の定失敗。仮に成功しても、結局は敗退。敢闘精神をほめられて終わり。
なんか、真珠湾攻撃を行った日本海軍の姿がダブる。
日本人の行動パターンは相変わらずなのかも知れない。

本当は大変な、基礎力を高めるという地道な努力が欠けているので、緊張が高まる本番で結果が出ない。競技における”足腰”の弱さが、問題なのではと思う。
精神面の話ばかりしているが、要は技術の差なのだと思う。

岡崎朋美がすごいのは、長い時間をかけて、その基礎を作っているから、本番に強いこと。その点をあまり皆言わない。

複合の団体では、一時3位まであがったが、明らかにペース配分の失敗。日本には駅伝という長距離リレーのノウハウが詰まった人気競技があるのだから、そこから吸収できることが沢山あるのではないか。 8秒差でバトンタッチされたら、1キロで1秒詰めるぐらいのゆったりした入り方とかあったと思うのだが、同じ程度の力量の選手にピッタリ後ろに付かれて、最後に突き放されるという、最低のレース展開。結果は妥当ですが。

どうも、戦略に長けた指導者が不足しているのかな。カーリングなんかも勿体無いと思う。

ただ、皆、メダルが取れないって、不振・不振って言いますが、ほとんどの競技で、予選を通って、上位国とそれなりに戦っていることは、すごいことだと思う。1国から4人が参加できる競技が多く、ウインタースポーツが盛んなヨーロッパ、北米勢が多数参加しているのに。なんとまあ、贅沢になってしまったことか。
みんな、恵まれない環境で苦労しているのにね。

コンサルタントの資質

最近、強度偽装問題で、出てくる総研の内河社長。
あの人には、コンサルタントとして、何が必要かという点が良く示されているように思う。
・愛想が良い
・見た目(姿かたち)が良い
・発言に説得力がある
・自信がある(ように見える)
・言うことが斬新である
・理解しやすいことを言う
・高いフィーを取る

まあ、最後は、顧客心理(高い費用を払ったのだから、この人は有能で役に立つと思い込んでしまう)という点もありますが、結局、顧客に信頼されて、正しいと思われる方向に導く能力がコンサルタントの資質なんですね。
ただ、ご存知の通り、内容がおかしいと、顧客も悲惨なことになります。
まあ、話が上手というは絶対に必要なことですね、ピンでやるには。
口の悪い人は、男芸者とかペテン師とか言いますけど。

口下手な私は、コンサルタントの資質あるのでしょうか・・・悩みです。
(え? コンサルタントの資質”も”無い・・・ 確かに・・・ (=_=) )

きな臭い中国

今、日中関係が悪化して、それが国内問題に跳ね返っている状況です。
ただ、それは、日本側の視点。

目を中国側に向けると、小平以来進めてきた改革開放政策(富と利権)と毛沢東に代表される党による締め付け(文化大革命に代表される、大衆運動と暴力)の相克が、またぞろ、暴力側に傾きつつあるようにも見える。

胡錦涛が進めようとしている政策は、日本を含めた、安定して繁栄した東アジア圏の確立だと思うが、党内基盤の弱さから、どうしても対外的に強硬な対応しか取れない。
一方、江沢民に代表される対日強硬派は、”愛国”というイデオロギーによる権力奪取を企んでいるようにも見える。

そこには、貧富の格差や、屈折した世代間の軋轢、硬直・腐敗した官僚組織、歪んだ中華意識、自信を深める経済力、勢力拡張を狙う軍組織・・・といった、諸々の問題が爆発のためのエネルギーを溜め込んでいる様に伺える。

中国の歴史は、尋常ではない権力闘争の歴史でもある。
時として、破滅を招く手段に、一方が歩み寄る場合もあるところが怖い。
第二の紅衛兵が出てくる可能性も捨てきれない。

氷上のチェスと言うけれど

カーリングが始まった。
どうも調子が出ない(まあ、政治力学的には当たり前のような気もするが)トリノオリンピックですが、そこそこマイナーな競技で活躍が見られます。

カーリングもその一つ。中継はロシア戦の抜粋だったけれど、面白いですね。
結局、最後に間違えた方が負けるという意味では、将棋に近いかなと思います。
チェスは、段々駒が無くなっていくが、将棋は駒台に武器が増えてきますから、終盤の難しさは上だと思います。

ロシア戦は、中盤の優位を勝勢に結び付けられず、疑問手連発で、差を詰められて、最後の詰め手順を誤って大逆転負け・・・といった形でしょうか。

アメリカには勝ったようなので、力的にはメダルも望める中位グループにはあるのではないでしょうか。

それにしても、ロシアチームの掛け声(何言っているか全くわからなかったけど)は迫力あって、面白かった。 気合負けかも知れ無い。