ホーム » 趣味人として » バックハウス

過去投稿一覧

ジャンル

バックハウス

今、ipodに バックハウスのベートーベンソナタ全集を入れている。
CDの時は存在感に圧倒されて、中々聞くこともなかったのだけれど、ワーグナーの指輪全曲にオペラ100曲、シャンソン全集にpodcast沢山、Videoや写真にゲームまでいれて、まだまだ余裕がある。気が向けばブルックナーやマーラーの交響曲全集を入れ替えたり、枝雀や米朝をいれてみたり、全く恐ろしい時代になったものだ。
(そういえば、トスカニーニのベートーベン交響曲全曲も入っているみたいだ)
それだけ入れても、高々8GBも使い切れない。
机の上には外付けディスクが1TBある。 人生のすべてを記録しても使い切れないのではないか。 
昔、ファイルシステムの上限が2GBで、”膨大なアドレス空間”があるので、当分このアーキテクチャは変わらないと教わった世代としては、どうしてよいか分からない。 しかも、こいつが今や1万円を切ろうという勢いだ。

さて、バックハウス。

ベートーベンと言えばバックハウス。典型的な「大家」。 浮かぶ映像はモノクロの写真と古めかしい音楽・・・
とばかり思っていたが、改めて聞いてみると、その高音のきらびやかさに打ちのめされてしまった。 今でも新しい。 細部のメロディーラインを音色によって浮き上らせ、しかも、全体の骨格といい、テンポといい、ガチっとしていて、変な癖もない。 それでいて、クライマックスに向けての切迫感やドラマ性にも満ちて、”熱情”など名演奏である。
しかも、一応”ステレオ”なんだな、これが。すばらしい。 
改めて、先入観なく聞くことの大切さを思い出した。

まあ、バックハウスというと、ショパンのエチュードとバラードのLPから聴き始めた変人ではあるわけで、普通の聞き手ではないのだが、もう一度見直しても良い演奏家だと思う。

通勤途上、一人コンサートホールを満喫できる贅沢が当たり前という世の中なのだが、今の人には、むしろ有難味が分からないのかも知れない。

ベートーヴェン : ピアノ・ソナタ全集
バックハウス(ウィルヘルム)
ポリドール

このアイテムの詳細を見る