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世の中の構造の不思議

世の中のつくりになんとなく同じような構造があると思う。
はっきりと分かる世界を広げたり、拡大すると、もやっとして、べたっとして、よく分からない曖昧で複雑な世界になるというものです。

① 有理数と実数
整数からスタートして、割り切れる世界、有理数 ・・・
ところが、√2と言った割り切れない数の世界があって、どうやらそちらの方が多いらしいという話になる。
連続体とか、実数といわれる世界で、数直線で表現されます。
(ギリシャ人は実数の存在に気が付いて、”幾何”で数学を構築したって、知ってました?)

② 管理範囲と手法
一つ、二つは分かるけど、数が増えてくると良く分からなくなり、統計的にしかものが言えなくなってくる。
例えば、小規模プロジェクトでは、担当者一人ひとりを仔細に把握することができるが、規模が大きくなってくると、%による予実管理がやっとになってくる。
(視聴率や選挙の予測など、なんであんな少ないサンプルでよいのか・・・) 

③ 物質の根源
元素を組み合わせて物質は出来ている。これも、数式のようにキチキチと反応式を書くことができる・・・
しかし、素粒子まで行くと、不確定性原理やら、1/3の電荷をもって分離できないクォークとかになってくる。

④ 意識と無意識
人が人であることをデカルトは”我考える故に我あり”とのたもうた。つまり、自分で把握・理解している意識の世界がある。
しかし、その意識世界は、膨大な無意識の上に浮かんでいて、わずかにスポットライトがあたっているところらしい・・・

⑤ スキルの評価
若手の育成は簡単だ。 あれが出来て、これが出来ない、これを知っているといったことが点数化できる。
しかし、段々ベテランになってくると、なぜこの人が優秀か、そうでないかを判別する尺度が複雑になってきて、結局一緒に仕事をしている信頼できる人の評価が一番正しかったりする。
(そのため、ITSSのようなスキル評価システムは中程度以上になると評価テーブルを無理に作るので、良く分からない混乱・混沌としたものになってしまう。)
上位マネージャーになってくると、評価方法も売り上げなど、結局組織全体の結果でしか判断できなくなる。

と、まあ、全くことなる分野で、”見えて”、”分かりやすく”、”全てを把握”できるクリアな世界のレベルを掘り下げたり、拡大すると、急に複雑で、予測ができず、全体でしか評価できない(違う尺度・視点での評価が必要)レベルに到達するようだ。
単純明快の先に複雑・混沌の世界が待っている といえる。

また、この単純素朴と複雑怪奇。 このレベル間にはかなりの断層があるように見える。
その良い例が、シュレディンガーの猫。 あの猫は、生きているのか、死んでいるのか・・・
ひょっとすると、集合の集合を考えると矛盾が起きてしまう素朴集合論と一緒で、考えてはいけない(ルール違反?)の命題なのかも知れない。
(我ながら無茶苦茶言ってますな)

この良く分からない複雑な世界に気が付いた時から、その分野の学問の爆発的発達が起きていると思う。(量子力学の分野が、例えばそうです。)

① 最初は従来の方法で1つ1つの要素を追いかけて、何故分からんのか・・・と悩む時期。
② 次に、これは従来の考え方では理解できないのではないか・・・と気付き始める時期。
③ そして、全く違う尺度、考え方で全体を理解する時期。(この時期になると、見れども信ぜずと考える人が多くなる。)

#今は、脳科学がこの第2ステップにかかっているのかな・・・

(複雑系とか、正反合の弁証法とかって、こういった問題をあつかっているのかな?
だとしたらすごいと思うけど、ヘーゲルとかは読むのだけでも大変だ・・・)

なんとなくですが、この世の中は、単純系と複雑系の階層があって、その複雑系は分離ができなく”ぺた”っとしている・・・ という構造になっているのかなと思います。