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俊輔の移籍にみる報道の危機

最近、中村俊輔の移籍に関して、2つの側面の記事を読んだ。
1つは、いかに俊輔がセルティックスにとって英雄であったかという内容。
もう1つは、移籍先のエスパニョールが実力は既に織り込み済みであるという内容。
(杮落としの試合で活躍をしたが、それもある程度”当たり前”と思われている)

俊輔は、イタリアとスコットランドで主力を務めて結果を残してきて、CLでも大活躍をした選手という、実績と評価を既に手にしていることが分かる。
それが、世界、少なくとも欧州での俊輔に対する評価である。

しかし、そういった評価を横浜Mの斎藤社長は事前に聞いていたのだろうか?
スコアの速報だけでは、高々スコットランドという実質2チームしかない”地方”リーグで、そこそこ活躍はしたものの、CLでもベスト8にしか進めなかった程度の選手・・・と考えていたなら悲しい。

忘れてならないのは、我々も同じような表面的な情報しかもらってきていないということだ。
そこまで、セルティックスに愛されているという話は、目に出来なかった。

本当は、一歩踏み込んで、俊輔がセルティックのファンからどういう評価を得ていて、(どういう風に愛されていて)、しかも、セルティックのヨーロッパにおける伝統とステータスの高さを掘り下げた報道があれば、違ったと思うがどうか?

何しろ、引退を決めたら半年でよいから戻って欲しいとか、ラーションと並んで近年の”レジェンド”になっているという話だ。 (この記事をどう読んだか、元社長さん・・・ まあ、その程度のことも良く分からないで、球団の社長をしてはいけないね。少なくとも、サッカーと球団に対する愛が不足している。)

そのレベルの選手が何故、キャリアを捨てて故国に戻るのか、店じまいが早くないかと思ったセルティックファンは多かったのではないか。

その種明かしになるような情報として、ケネディの名古屋移籍がある。
オーストラリアのケネディが日本を選んだ理由が、出場機会とW杯に向けての日程があったということだ。

それからすると、俊輔が最初に横浜を選んだのは、そういった理由があったのかなとも思われる。(日本で活躍することがW杯に直結する→それを本当の花道にとでも考えたか・・・)

小さいことだけれど、速報性と横並びばっかりの日本報道陣には”本当の姿”を伝えるという力が相当欠けていると思う。
まあ、これも次の本の受け売りなのだが・・・

ジャーナリズム崩壊 (幻冬舎新書)
上杉 隆
幻冬舎

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結局こういう本を読まないといけないという話か・・・

中村俊輔 スコットランドからの喝采
マーティン・グレイグ
集英社

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