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やはりドラッカーはすごいんだ

まず、この表紙がどうにかならないものか。

もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら
岩崎 夏海
ダイヤモンド社

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ビジネス書(ドラッカーの本の読み方)としても、小説としても一級の本なのに、あまりに表紙が・・・
まあ、売り方というか、背景にAKB48があるので仕方ないところもあるとは思うが、正直違和感がありすぎる。
(どうせマンガ使うなら、ちばあきおのキャプテンとかの方がよいぞ、きっと・・・売れないか)

小説としては、話題になったディズニー本(最後のパレード)に近く、感動を安っぽく売っている感じがして、底が浅い。
しかし、まあ、たまにはひねりのないストレートも良いだろうと思う。(電車で読まなくて良かったぞ・・・ホント)
 
総てが予定調和に満ちていて、そんなにうまくいくはずはないと”ビジネス書”としては突っ込みもいれたくなる気もするが、そこは小説だからなんでもありでしょうということで、許されてしまう感じ。

その一方、小説としてのひねりのなさ、マンガ的なストーリー展開にも、ドラッカーのマネージメントをあるシチュエーションにあてはめたらどうなるかというシュミレーションの一つだから、小説はそのための方便だ、といわれてしまうかな。

まあ、どちらにもつかないコウモリのような立ち位置が、この作品については成功していると思う。(下手をするとどちらも中途半端になってしまいそうだけど)

そして、著者がいかにドラッカーのマネージメントにレスペクトしているかという、”熱”が全編を通じて伝わってくる。
”僕の大好きなドラッカーはこんなににすごいんだぞー”、”あんな風にも使える、こんな風にも使える”、”こんな状況も、難しい問題も、ほらここに答えが書いてある”・・・

今の自分の役割・ポジションにとっても、非常に参考になる・考えされられる課題や気付きが一杯だった。
(私の顧客は一体誰なんだろうか・・・)

とても読みやすく、”感動”を(少なくとも心を動かされる)体験ができて、マネージメントのポイントが簡潔にまとまっている良い本です。
それだけに、この表紙が・・・(^^;