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業界の将来

これでも、この業界で30年近く生きて生きている(我ながらすごいな・・・)ので、IT業界の将来について、自分の行く先を含めて、思い悩むことがある。

実は、IT業界というのは、業界としてのくくりが大きすぎるような気がしている。
例えば、製造業でくくって、その将来を論ずるような感じだ。

はっきり言えば、いわゆるIT業界の未来は暗い。
新しい技術が次々と出てきて、多くの人員が次々に投入されて、拡大・右肩上がりのバラ色の未来というのは、90年代ぐらいの話かな。
今は、世間以上のハイパーデフレが進行していて、労働単価もどんどん下がる一方。ハイパーデフレの時代

みんなが漠然と考えているIT業界で元気なのは、AppleやAmazonといった、ITの周辺業界。
しかも、海外のベンダーで、日本にはこれといった商売が無い。

既存の業務・案件はどんどん人が減らされて、大変になるばかりで、どんどん労働環境は厳しくなるばかり。 心身のケアを考えるのがマネージャーの仕事だったりする。(そのマネージャーが危なかったりする)

ただ、この業界の新陳代謝の早さは今にはじまったものではないし、駄目なら新しい分野でチャレンジすればよい。新しい分野は誰もやっていないのだから、今までの経験だって少しは競争優位に立てる要因になるのでは、と淡い期待をもっている。
一番の財産は、何が起きても驚かない(もっとすごいことの経験がある)ことかな。
体力をはじめ色々と落ちてきてはいるが、実際には結構やれるもんだと思うよ。
将棋の世界でも、勝率ボロボロ、引退間近のベテラン棋士も、得意のパターンに持ち込んだり、ここ一番に臨むと、結構トップに勝ったりするわけで、やはり生き残っている奴は、何かを持っている。

と、自分を慰めているが、気持ちだけでも若ければ、今までとは違う土壌での戦いがはじまっているのだから、これからはとても面白い時代に突入したのだと、少しわくわくしてみる。

実際、不安だと思っているのは、”従来の尺度”で未来をみた場合で、全く前提・競争のルールが変わってしまうのだから、心配は杞憂になる可能性が高い。
だから、基本的に未来については、ポジティブに考えている。

ただ、繰り返しになるが、人月を投入して稼ぐようなVolumeビジネスの時代が終わったことだけは確かで、より”本物”が問われる、質の競争に入ったのだ。 だから、IT業界の未来が暗いというのは、多分あっていると思う。
ということで、広い意味でのIT業界、情報と知恵・ノウハウをシステムとつなげて生かす業界はこれからも安泰・拡大に向かっていると思うのだ。

みんなが”ここが伸びる”という業界に身を投ずれば、それなりにうまく行った時代は終わりを迎えて、これからは、”自分にとってどういう仕事か”を考えないといけない時代がやってきたということだ。 自分で考えて、自分で行動して、責任もとる者だけが生き残るのだ。昔から本当はそうだっただが。