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霊能力って・・・

久しぶりの書評はマンガです。

視えるんです。 実話ホラーコミックエッセイ (幽ブックス)
伊藤三巳華
メディアファクトリー

まず、絵が面白い。主人公と関係者の可愛いキャラクター化された表現と、見えてしまったものを描写する場合の劇画調タッチのギャップ。
話も、単に”見えるだけ”という作者の体験をまとめているので、結論とかオチがあまりなく、淡々と語っている。
いわゆる、夏を迎えると登場する”怖い話”を期待すると、肩すかしを食らう。
(そういえば、北野誠も一時期見えるキャラで出てたっけね~)

かといって、怖くないかというと、そうでもない。
特に、見えている時の作者曰く”劇画調”の絵は、結構怖い。(きたないとも言う)
結局、見えるだけで、あまり積極的に霊とコミュニケーションを取ろうとしているわけでもないという著者の微妙なスタンスが、全体のトーンになっている。
そこに、妙なリアリティがあって、自分の隣に、その世界があることを感じさせる力がある。

中でも私が秀逸だとおもったのが、鎌倉に行って、作者が、”花火があがって”、”女性たちが楽しそうに騒いでいる”という明るいイメージを持つが、より能力の高い霊媒師に、それは ”社寺が炎に包まれ”、”女官たちの阿鼻叫喚・断末魔”だという指摘を受ける箇所。
多分、北条氏終焉の地での霊視だと思うが、それだけあちらの世界とはコミュニケーションが難しいということなのだなと実感するところだ。

誰でも、なんとなく嫌な感じ というのはあると思う。そこに何かが居るということのようだ。
でも見えないわけで、各個人によって、感じる力、コミュニケーション能力に濃淡があるだけなんだなと割り切るしかない。

しかし、結局見えないだけで存在する世界があるのだ、と受け入れてしまうと、霊の世界も”日常”として受け入れられるのでは、という気になるから不思議だ。

元々が雑誌幽に連載していたものなので、各話がコンパクトにまとまっていて読みやすい。
お勧めです。


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