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【書評】ヤバイ中国
嫌韓論と中国叩きの本が巷にあふれていて、少々食傷気味。
そんななかで、ブームの前から安定して良書を量産しているのが、渡邉哲也さん。
その最新刊がこの本。
ヤバイ中国 (一般書) | |
渡邉哲也 | |
徳間書店 |
誰かが言ってたが、今にも北朝鮮が崩壊するという話は、韓国側のプロパガンダの側面があり、李氏朝鮮が500年続いたことを考えると、実は北は超安定政権なのではという説がある。
中国についても、常識から考えたら既に何度も崩壊してもおかしくないはずだが、”数字があてにならない”、”そもそも混沌としている”、”法より共産党、共産党より人治”、という規格外の国なので、見た目死んでいても実は元気(日本に脅威)という可能性がある。
そのため、ちまたの中国崩壊論は狼少年の雰囲気が漂ってきている。(誰とは言わないが長谷川慶太郎)
一方で、著者は細かい数字や諸々の出来事を丁寧に積み上げることで、現在の中国で起きているFACTに迫っている。 全体の主張は、すでにチャンネル桜や別作品で著者が述べている内容と似ている(ぶれていない)ため、私にとっては目新しいものではなかったが、初めての人には説得力のある論旨に目を開かれることだろう。
また、説明のために各所に散りばめられている考え方・情報のレベルの高さが素晴らしい。
一例として、国内的には人民元でコントロールできるので、日本のバブルと同様にソフトランディングが可能という(お札を沢山刷って、クラッシュを回避)指摘も、言われてみれば中国の特殊性を考えればその通りなのだが、思いもしなかった。
どちらかと言えば慎重だった著者がこの様な本を書くということ自体、中国の終わりのはじまりが近付いているのかなと思う。
直近のニュースで周永康が失脚した。
津波に備えないといけないのかもしれない。
今年の夏は、冷夏の予想が外れて酷暑になりそうだ。
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