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ブルーレボリューション 青の衝撃(日本代表のベスト16に寄せて)

ワールドカップはベスト16が出そろった。(先ほど韓国が脱落して15になっているが・・・)

ざっと16カ国を見てみると、南米勢が全部生き残ったということがサプライズではあるが、なかなかすごい国が残っている。ヨーロッパは優勝候補に挙げられていたスペイン、オランダ、イングランド、ドイツ、ポルトガルにまさかのスロバキア。 北欧勢は全滅、東欧勢もスロバキアだけという結果に終わった。
あとは、アメリカ、メキシコにアフリカからガーナだけ、それに日韓という状況。
昔はボラ・ミルティノビッチの魔法ではないが、びっくりするような弱小国がベスト16に進んだものだが、今回は結果的に弱い国は無い。(フランスとイタリアが脱落したというのに・・・)

全体をみても、レベル以下だったのは北朝鮮だけで、あとは、簡単に勝てる相手は居なかった(フランス?)と言える。ほとんどの組が最終戦まで持ちこされて、どの試合も緊迫した良い試合が続いている。かつてのように、GLで調整してトーナメントから本番といった余裕のサッカー大国は無くなった。
確かに、ボールと高地と荒れたピッチでだらだら蹴り合いばかりの凡戦も多いけれど、それも含めて勝負としてはギリギリの戦いが連日繰り広げられている。

そんななか、日本戦を見慣れた目で、他の国の戦いを見たときに、軽い違和感を感じるようになった。
どの国も守備が甘いのだ。
ボールをもった相手にプレッシャーがかからず、止めるにはプロレスまがいのタックルを見舞ってファールで潰す。 (その結果、与えたフリーキックはホームラン。)

ところが、日本の場合はチャレンジをしないで2枚で挟み込んでパスコースを消してしまう。
基本がDelayだから、接触プレーも少ない。危険なエリアでシュートを打たれなければOKという守備。
苦し紛れのセンタリングはCB二人が前で競り勝ちこぼれ球をバランスされたMFが拾ってパスをつないでの速攻に切り替えて、厚みのある攻撃を実現している。
どちらかというと、相手にボールを持たせて、守備主導でコントロールをする逆ポゼッション重視の戦略に見える。
(かつて日本がアジアで対戦相手に採られた、専守防衛の固さを知っているので、相手を横パスばかりの中村俊輔に追い込む作戦といれば冗談が過ぎるか・・・)

その結果、日本は極めてファールの少ない”イエローカードで出場停止”のリスクも低い国になっている。

オランダが1974年にトータルフットボールで登場した時に、世界が驚いたのは流れるようなポジションチェンジによる攻撃の革命だったが、今回の日本は次から次から高い運動量で選手がわいてくるディフェンスで革命を起こそうとしているかも知れない。(目立たないけれど、実は・・・)

先ほど見たウルグアイの試合でも、1点で逃げ切りを図ろうとしてずるずる後退するばかりのディフェンスを採用、たまらずパワープレーで作られた隙を韓国に決められた。(そのあと、コーナーからギリギリのスーパーシュートが決まって勝ったのは流石だが・・・)

さすがにスタメンを変えないで第3戦を迎えたとき、だめだと思ったが、憲剛システムにへんこうすることなく、勝ち切ってしまった。先発固定でいけるとこまで行く作戦か?
新たに人を投入するのが間に合わないので目標をベスト4にしているとしたら、相当な策士だ。

先ほど韓国が雨の終焉(2002年の宮城の裏返し?)を迎え、オーストラリアが初戦の大コケで敗退と、日本が歩んできた道を続けているように見える。
そうやって長い期間でならせば、機会も平等ということだろうか。
この後、チョン・モンジュンが日本を勝たせないための審判買収をしないか心配ではあるが、あと少しの大会を楽しみたいと思う。