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極めて日本的な

文春で立花隆の書評をみて面白そうなので早速ハイブリッド (文春新書)
を買って読んだ。

まあ、なんとも日本的なProjectの姿がそこにはあった。

・鶴の一声で”従来にない車を作る”プロジェクトが発足。
・ハイブリットが採用されたのはかなり偶然。
・要所要所で”天皇”をはじめ歴戦のメンバーが登場、”人間力”によって問題を解決。
・元々滅茶苦茶なスケジュールだったが、”根拠もなく”経営陣が期間を半減。
・いくつかあった方式のうち、納期に迫られ1つに絞り込んだ方式が実は最善であったという”奇跡”
・全ての部署が”クリティカル・パス”。そのため、自部署がストップロープ(プロジェクトの遅延・停止)を引く恐怖にかられて、連日の長時間労働 
・高額、未成熟な初期バージョンを支援、購入する顧客の存在
・製品発表と歩調を合わせるかのように京都議定書、環境問題が時流になる

 勝てば官軍、勝負は時の運、指揮官は”運が良い”男が選ばれて、現場はいつも”月月火水木金金”・・・
まさに幾つもの僥倖に恵まれての大勝利ということでも、ハイブリッドはトヨタにとっての日露戦争ではなかったのかと思う。

圧倒的な現場力に支えられての個別勝利と将の力不足による戦略的敗退
画期的な新技術(零戦など)の導入による連戦連勝もあとが続かず大逆転を食らう
というのが、太平洋戦争だったと考えると、なんとなく日本の組織の傾向は変わっていない気がする。

今回の不況に際しても、一糸乱れぬ縮小(おかげで、中部の景気は窒息状態に一瞬にしてなったとか・・・)と、
好況に最適化しすぎて、想像以上の急ブレーキというトヨタの戦略力不を思わせる姿も、旧日本軍と重ね合わせると分かる気がします。

そういった意味でも、舞台裏を垣間見せてくれる良書でした。

ハイブリッド (文春新書)
木野 龍逸
文藝春秋

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1件のコメント

  1. ハイブリットカー人気ですが....  今日も涼しいかな?

    おはようございます。夜中に目が覚めましたね~凄く寒かった!確かに昨日の夜は涼しかったでが....あんなに気温が下がるとはビックリです。布団をしっかりかぶっていなかったので....今日も昨日同様に涼しいかな?今から地域のスポーツ大会なので....ヨウイを…

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