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複式簿記ってすごい

ジパング再来 大恐慌に一人勝ちする日本
三橋 貴明
講談社

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とても勉強になる+安心する本です。

日本国のバランスシートを示して、企業会計として考えた場合の日本の位置、現状を分析しています。
(健全すぎて、現金の持ちすぎ。もっと効率を考えて投資にシフトした方が良い → 今、本当の意味でのお金を持っているのは日本だけ?)

ポイントは、バランスシートも読めない(経済学の基本もわからない)評論家が多すぎるという指摘かな。 特に、国債残高の大きさを強調して恐怖心から緊縮財政を主張するタイプの評論家に対しては戦闘的です。

日本の国債は日本人が買っているのだから、家族内の貸し借りにあたり、いくら積み上げても問題はなく、むしろ金回りが良くなるから気にする必要はない。 日本国のバランスシートの健全性にもっと着目しろという主張は、説得力もあるし、たぶん正しい見方だと思う。

ただ、経済の強さを”破綻危険度”でみているのは、確かだけど、シビアすぎるかなとも思う。

国債残高が積みあがると、利払いを含めて予算の自由度が拘束されるので、あまり野放図な国債発行はやはりまずいと思うぞ。
・・・ ただ、いざとなれば日銀がお札をどんどん刷ってしまえば良いということなんでしょうけど。

たとえてみると、国債残高を気にするというのは、前借をしすぎると、手元のこずかいが無くなって買物ができなくなると言っているのに対し、何を言っているの、本当に必要だったら、家の資産を売り払って現金化したり、家の銀行預金から引き出せばよいじゃないかと言っているのね。

まあ、平和な日常であれば、小さな自分の財布の中身を気にしていてもよいが、昨今の経済状況はどこが国として破綻するかという状況なので、もっと”厳しい査定”に基づいて評価しようということかな。

フェイクマネーで積み上げたバブルが崩れて、借金だけが残った状態が今の世界の状況。 
本当にひどい状況なんですな、外国は。

この本を読むと、アメリカとイギリス(ヨーロッパ)のとても高度の暗闘があって、未だ世界最大の属国だったアメリカが仕掛けた経済独立戦争がサブプライムローンだったという陰謀説も頭によぎりますな。
それほど、痛手はヨーロッパの方が大きい。しかも財政の硬直性というEUの持つ欠陥をつかれている。
まあ、そんなに頭が良い人たちがいるとは思えないけれど・・・

それにしても、複式簿記は偉大だ。
今回、この本を読んで、改めて実感した。こういう風に使うのね。
もう一度勉強しなおしてみようかな。