今回は中国ネタを2つ
まずは、 帰化された中国人 石平さんの本
私はなぜ「中国」を捨てたのか (WAC BUNKO)
もう1冊は、三橋さんの本
中国経済・隠された危機 (Voice select)
どちらも、中国に対して好意的ではない人たちが書いた本なので、割り引いて読む必要がありますが、どちらも中国の”内側からの崩壊”が扱われています。
石平さんの本は、中国の80年代世代と90年代世代の相克が透けて見える本です。
文化大革命に翻弄されて、毛沢東の子供として育った石平さんが、民主化に目覚め共産党一党支配のもとでの改革を夢見て挫折した80年代青春の世代。
それが、改めて党による締め付けと愛国・反日教育で育った90年代青春の世代との間で感じた深いギャップから、自らの文化的ルーツを日本に見出して、帰化するまでの一代記。
三橋さんの本は、中国の統計データの不正確さ、虚飾の経済とそこにある危機を丁寧に論証しています。(もともとがVoiceの記事をまとめたものです)
新聞などの記事を読む時も、中国共産党のプロパガンダで埋め尽くされているので、その裏にある正しい姿を見なさい という本です。(一言でいえば、中国は政治銘柄だから投資は注意・・・かな?)
どちらも共通しているのは、中国共産党の体質が真実を隠蔽する構造になっており、悪意を持って日本に対峙している ということ。
そして、今中国では、リーマンショックによる輸出不振により相当の打撃を受けてており、とても経済が悪化していて、政府主導による景気刺激策によって辛うじて成長を維持している(そのデータもあてにはならない)。 その一方で、過剰流動性によるバブルの発生と崩壊の危機に悩まされていて、金融当局はチキンレースを強いられているということ。
すでに、どうすれば損害がすくなく中国から撤退できるかというセミナーが盛況になっていたり、すでに、投資先としてはインドに抜かれているといったこと。
そして、いざとなれば数億人が死んでも核戦争の最後の勝者は中国だとうそぶく将校がいるという事実・・・
勉強になりますな。
まあ、混乱と複雑さは清朝末期以来(古来?)の中国の伝統ではあるから、そのぐらいで驚いてはいけないのだろうけど。
ただ、心しておかないといけないこととして、いずれ経済が破たんして国内が混乱をした時に、何がおきるかわからないということだ。 (北朝鮮は朝鮮半島周辺で影響が限られるが、中国は世界的影響が避けられない)
中国で大乱が発生すれば、結構な津波がやってくる。
しかも、日本を滅ぼせばすべてうまくいくと”信じている”若者が大量に生産されていることも注意が必要。
小室直樹のアノミー理論を思い出すな。
文化大革命で中国の伝統を破壊して、その後の小平による改革路線(毛沢東否定)、天安門事件による挫折、そして心の荒廃と拝金主義。 そして、心を亡くした現代中国で、”金”が回ってこなくなったら・・・恐ろしい
まず間違いなく、中国に政治の時代が再びやってくる。
そして、どんな津波がやってくるのか、今から用心するにこしたことはない。
報道にはフィルターが掛かりすぎる中国だけど、何が真実か常にチェックしておくことが肝要かと。
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