外国に行くと誰でも愛国者になるというけれど、ハリウッドでプロデューサーとして生きているのだから、日本の良い面だけを見る習慣がついているのだと思うのだけど、そんな極端な視点からの日本文化論です。
ハリウッドではみんな日本人のマネをしている (講談社プラスアルファ新書)マックス桐島講談社このアイテムの詳細を見る |
最近、マネージメントのやりかたが、物分かりの良い上司だったり、チームとしての力を引き出すHowTo本が増えている気がしますが、その理想像・ゴールが日本化なのではという話です。
自分の権利や意見を主張して、勝ったものが正しいという論理のアメリカ人が、ちょっとの気配りや全体の成功・勝利のために譲り合って、WinWinを実現しているのは、日本や日本人から教わった和の心、謙譲の美徳、もてなしの心というのですから、本当かなと思ってしまう。
ただ、表面的な日本理解から、その精神性まで踏み込んで日本の良さを取り入れようとしている人が増えているのは確からしい。
Japan Coolというフレーズが何度も出てくる。それが、エンターテイメント全般に広がっているらしい。 マンガは当たり前、ファッションや電化製品、コンビニのサービスまで、実に細かく具体的な事例が紹介されている。
なかなか、自分の姿、強さというのは見えないもので、本来はそれを行うべき日本のマスコミが、くさしていれば金がもらえるという不思議な業界だったりするので、期待はできないですね。その意味で、この本は貴重な鏡の役を果たしていると思う。(少し大きく拡大する凹面鏡のようにも思えるが・・・)
当たり前だと思っていることが普通ではないことが多く、日本の常識、世界の非常識というのは、昔よく言われたフレーズだが、最近ではその意味がNegativeからPositiveになってきたみたいだ。 まあ、浮世絵も元々は陶器を包んでいた今でいえば新聞紙みたいなものだったそうだし。
きっと、誰もこういう視点(Japan is cool)では説明してくれないだろうから、物事を客観的、多元的にとらえるためには一度読んだ方がよい本ですね。
それにしても、なんでも禅につなげたり、あふれるほどケイタリングしてしまってそれを必要な無駄と考えてしまう(許される)アメリカって少し変かも。
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