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信じていいのかな・・・経済学の本筋?

私は勝間和代が好きではありません。
そのかつま~の経済学でのブレーンと言われている人がこの人(らしい)

デフレと円高の何が「悪」か (光文社新書)
上念司
光文社

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こんなに薄い本なのに、経済学の本質について触れられます。

昔のお札の肖像に高橋是清がいました。(といっても、私は見たこともないのですが。)
今と違って、お札の肖像に選ばれる人は特別な人です。物心がついた時の思い出。
聖徳太子 → 日本を東アジアの枠組みで定義した人
伊藤博文 → 内閣制度を作り、日露戦争の勝利を内政から支えた本当の政治家
岩倉具視 → 胆力で明治維新を実現した傑物
板垣退助 → 明治維新の英雄にして自由民権運動の創始者
・・・

それらと同列に50円札の肖像に選ばれたのが高橋是清。
如何に、プロの間で評価が高かったのかという証明と思います。

そして、なぜ、高橋是清が優れていたのかと言えば、昭和初期のデフレを退治した事にある。
今、同じような政策を何故取れないのかというのが、本書のメインの主張と読んだ。

巷に流れる情報がいかに表面的なもので、それを情緒的にとらえて頓珍漢な学説を振り回している輩が多いのかというのも、主張としてあるかな。
とにかく、今まで知らなかった細かい情報とその見方が解説されている。(P.92のコアコアCPIのグラフは印象的です)

まず日本は継続してデフレが継続している。 デフレに良いことは何もない。 デフレを改善するためのマクロ的政策を日銀は採ろうとしていない。今こそ、高橋是清に学んでインフレ政策を取るべし。インフレ政策をとっても”ハイパーインフレ”になんぞ成るわけがないのだから・・・
御意。

私も、資本主義である以上1桁パーセントのインフレを持続するのが最適と考えているので、主張についてはおおむね賛成です。

それにしても、最後の最後に独学でこれだけの知見を手にしたという”告白”に一番衝撃をうけました。
日本のように”経歴”や“肩書”といったラベルが重要な社会でも、こういった”実力”や”能力”で評価される人がでてきたというのは素晴らしいことだと思う。
歴史をみても、乱世になると能力主義になるのが日本の良いところ、社会の回復力・強さだと思うので、今も乱世なんだなと思う次第。

いつリストラされて路頭に迷うかわからない時代背景を理解するのには良い一冊。
(名前はちょっと読みにくい・・・どこで切るのか3文字熟語?)