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中国壊死

宮崎正弘・宮脇淳子による歴史からみた中国の診断。

一番残念なのは、これからどうなるかのシナリオ・シュミレーションがあまり書かれていなかったこと。 まあ、二人のことだからか、知っていることや考えは持っていると思うが、この程度の書籍にはもったいないし、怖くてかけないよね。

それ以外は、期待通りの”新たな”知見に満ち溢れている本でした。

特に、かつてのモンゴル・元朝と今のモンゴルとは連続性が乏しいということや、みんなが期待(?)するほど満州・ウイグル・チベット・モンゴルが決起して中国が漢民族の本来の領域に分裂するのは難しいといった”地に足がついた”評価も一読の価値あり。

まあ、バラバラにならないから、内側から壊死するわけだね。

カタストロフィー理論というのがあって、不連続な変化がどこで起きるかはわかる方法はないというもので、それをネタにロバートゲラーが地震予測は無意味と噛み付いていたのを思い出した。 もうすぐ倒れるのは分かるがいつ・どんな形で倒れるかまでは分からない崩れかけの煙突みたいなもんなのだな、中共は。

それにしても、20世紀最大の民族浄化はナチスではなく、中共でしかも現在進行形。 明治の御代まであった大帝国清朝を作った満州人は消されてしまった。

中国壊死 ビジネス社 ¥1,100+Tax
宮崎正弘・宮脇淳子 ISBN978-4-8284-1851-3