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2015年 中国の真実

今後の中国がどうなっていくかについて知りたい場合は、この本を読むべし である。

長谷川慶太郎の”中国ダメダメ”論のようには明確に未来像を断言しているわけではないが、地に足がついた詳細な情報に基づいて今の中国と周辺国の今の状況と近未来を描いている。
習近平の愚作により反中国同盟が形成された、といった昨今の表面的で楽観的な見通しが世の中には流れている。(日本の願望もそこには入っている)。
本書はそれだけの立場にはたっておらず、各国の微妙なポジションと内実について触れているところはさすがである。
また、権力闘争がすべて”であるという中共の本質にも触れていて、なぜ外交的に”あんな愚作”を繰り返すのかという疑問に間接的に答えを出している。

ただ、特に、石平さんの習近平たたきは個人的怨念があるのかと思うくらい。宮崎さんにしても、独自のスタンスで持論(たとえば第七艦隊購入論)を展開しているので、割り引いて読む必要も当然ある。 が、本書の価値がそれで下がるわけではない。

世の中には想像もできない悪者がいるという前提にたてば、最悪の中共が最悪のたくらみを続けながら、簡単には倒れないという可能性にも備えておく心構えが必要と思わせられる警世の書。

2015年 中国の真実 中国は習近平に潰される? 宮崎 正弘・石平 WAC出版 ¥900+TAX  ISBN 978-4-89831-704-4