どうすれば出来る様になるか、教えてくれても実際にはできないものです。
その最たるものが前著の英語勉強法・・・
今度は仕事術
村上式シンプル仕事術―厳しい時代を生き抜く14の原理原則村上 憲郎ダイヤモンド社このアイテムの詳細を見る |
英語術では、英語を使えるようになるためには、沢山本を読んで、英語を聞いて、沢山覚えて、しゃべれば使えるようになる・・・という至極もっともな内容。
でも、なかなかできません。(できないのは、想いが足らないからかな・・・)
で、英語はしゃべれるのは”仕事ができるため” だから、仕事術。
でも、術の部分は半分もありません。
何事も、物事の本質を理解していないと駄目です。森を見ないで、木だけを見るのはいけません。 で、外資系での本質は・・・ キリスト教や西洋哲学だったりする。
ヨーロッパを理解するには、ギリシャ・ローマ と、ゲルマンと、キリスト教の3つの柱からなることをまず知ることが必要、と若いころに習った気がする。
外人を理解しようとすると、そこに至るのですね。
村上さんのすごいところは、こういった本質を提示するだけではなく、”どうすればそれを使えるようにできるか”というところまで示している点です。
例えば、仕事にはマネージメント能力が必要 → そのためにはデル・カーネギーを学べ。 経済がわからないといけない → マンキュウとハイエクを読め。
といった具合で、具体的で、シンプル(つまり効率がよく)、実際に自分がやってうまくいったこと を提示しています。
(仮説を提示するだけでなく、根拠を示して、追体験可能に記述しないと気が済まないというのは、優れて理系的ですね。)
ただ、所々、普通じゃないところもさらりと書かれていて、だから、ここまで到達できたのかと逆に納得してしまう。
たとえば、薄くてエッセンスが詰まった本を一気呵成に読みましょう・・・という方法論が示されていますが、その結果本屋の書棚の配置を暗記するまでになった・・・というのは普通じゃないと思うのですよ。
とにかく、極めるということが重要なんだなと思います。
書店で手にとってパラパラ読むと1500円は高くない? と思うぐらい、軽めの本に思えますが、実際にはとても価値が詰まっている良書です。
(ただ、その中身に見合った価値を生めるかは、読んだ者の想いにかかっていますが・・・)
それから、この本で取り上げているようなテーマ(特にキリスト教・仏教・西洋哲学など)については、私には当たり前でしたが、それって普通ではなく、若い時の教育に恵まれていたんだなと改めて思いました。
そして、たいして英語もできないのに、何故外資系の企業を渡り歩いてきたのかもわかった気がしました。
最近のコメント