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コンサルタントという職業

私、ITイノベーションというコンサルティング会社に勤めています。
昨年までHewlett PackardというコンピュータメーカでSEをやっていたのですが、諸般の事情で(一言で言えばリストラなんですが、色々な話があって、説明すると長くなるのでいずれまた)退職し現在の会社にお世話になっています。

腕に自信もあるし、テクニカルコンサルもしていたので、通勤時間が短くなるぐらいかなと考えていました。

ところが、実際に始めてみると、コンサルティングとコンサルタントの仕事の間には、大きなギャップ(乗り越えないといけない壁)があることが判ってきました。

うちが小さいということもあるのでしょうが、まず仕事を取ってくること、仕事を作ることが求められます。
今までは営業的なマインドを持ったSEとして、顧客うけの良さで営業さんから重宝されていたのですが、
今は営業もして、顧客をつかみ、注文書に判子を押させないといけません。これが大変。
なにが大変って、どこにお客がいるのか、どうやって売り込むのかを自分で工夫しなければいけないのです。
まさか、駅前でチラシを配って、安いコンサル販売中、格安物件、このサービスがこのお値段で・・とは行かないですものね。

勢い、前の会社の連中に挨拶かたがた、現況報告を兼ねて訪問、紹介をお願いするのですが、これがなかなか。
昔のツテも、出したメールは返ってこない。でも偶然会ったりすると、内容は読んでいるんですね。
返事を出すということは、そこにビジネス関係が生じる訳で、気安く回答はできないんだなと納得してはいますが。
でも、営業さんて元々、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、断られてからが本当の営業の始まりというくらいですから、
このくらいでメゲていてはいかんのでしょうが・・・営業さんて偉いのね・・・

仕事の内容も、結局コンサルタント=教育者 なんですね。
どんな難問も解決してみせます・・・では商売にはなりません。(本当のスーパーマンなら別ですが) 
いつかは(すぐに)居なくなってしまうのがコンサルタント。実際に作業をするのは、依頼者。
そこに残していくノウハウにお金を頂くわけで、言って見れば、自分でできるようにしてあげるのが仕事になります。
手を動かす作業者として雇われることもありますが、理想的には、優秀なトレーナーであることが望まれます。

大概は、経験に基づき、色々のアドバイスや、成果物を作って、それで検収となるのですが、経験の引き出しは限られていますし、相手の方が一般的には最前線のエンジニアだったりするので、薀蓄を語って嘲笑を買う危険性を常に孕みます。
で、理想的には、顧客にコツをつかんでもらって、自分でポイントに気付くようになれば、最高です。
私はまだまだ駆け出しですが、いずれは、わざと転んで見せたり、落とし穴を作って落ちるのをじっと待ったり(実際に痛い目にあわないと身につかないことが多いですので)といった腹芸ができるようになると最高だとは思います。(実は、動物占いだと、私は”たぬき”らしいので、可能性はあるかと)

また、なんといっても一番の商品は私自身です。
この私を信用して、この私を幾ら幾らで買ってくださいというのが、商売の本質です。
何ができるといったサービス内容が大切なのは当然ですが、それ以上に、経験、人格や魅力といったものが大切で、
日々、今までの人生を省みては棚卸ししている状態です。
どちらかというと、控えめで、正確さと知識の深さで勝負していたSE時代とは、ものの見方、考え方が全く違います。
まあ、大きなコンサルティングファームで活躍されているコンサルタントさんはまた違った職業観があると思いますが。(いわゆるアップ・オア・アウトの世界ですね)

なかなかシフトチェンジには時間がかかっていますが、ボチボチ一人前のコンサルタントとして評価されるように、日々努力していきたいと思います。