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オバマという実験

オバマの選挙戦略についての本を読んだ。(オバマのすごさ というタイトルだったかな・・・)
極めて、ぶれない、仕事のできる男のストーリーだと思う。
冷静で内向的なキャラクターというのが、親近感を覚える。
世の中が変動するとき、壊れているときにはアウトサイダーが登場するものだが、オバマは究極のアウトサイダーと思われる。
ヒラリーも実はオバマのファンであったといった話も、すんなり国務長官に納まった理由として納得してしまった。

大統領選という一大プロジェクトを、チェックリストとアクションプランの活用で乗り切ったように思う。

大統領になることがGoalではなく、偉大な大統領になるという目線の高さも良いではないか。

中東問題やGMの問題の扱いについても、原理原則を立てて、関係者の意見を聞き、妥協を求めながら望むゴールに導くといったプロセスは、極めて優秀な政治家の姿を感じる。(議論を尽くしたのだから、という強行手段を常にちらつかせて)

ただ、この有能で一筋縄でいかない政治家が登場した背景は、あまりに厳しい。
希望や夢をばら撒くことで事足りるほど、現実は甘くない。

あたかも、フランス革命の大混乱、祖国崩壊の淵で、颯爽と登場した片田舎コルシカ島出身のナポレオンを連想する。
今後8年間世界は、ナポレオンに振り回された時代が再現するのではないか。
人種差別主義者による物理的抹殺という事件が起きなければという条件付ではあるが。

読んだのは PHP新書の
オバマのすごさ

でした。